WordPressのSEO設定を調べていると、「構造化データ」「Schema」「JSON-LD」といった言葉を見かけることがあります。
難しそうに感じますが、基本的な役割は、ページに書かれている情報の意味を、検索エンジンが理解しやすい形で伝えることです。
ただし、設定すれば必ず検索順位が上がったり、検索結果に特別な表示が付いたりするわけではありません。
この記事では、構造化データの基本から、WordPressでの設定方法、設定後の確認までを紹介します。
構造化データとは?
構造化データは、ページにある情報を、決められた形式で整理して伝えるためのデータです。
たとえば、店舗のページに「〇〇米店」「長野県〇〇市」「9:00〜18:00」と書かれている場合、人はそれぞれが店舗名、住所、営業時間だと読み取れます。
構造化データでは、それらに「店舗名」「住所」「営業時間」といった意味を持たせて、機械にも伝わりやすくします。
記事なら記事名や著者、商品なら商品名や価格など、ページの内容に応じた情報を整理します。
Googleも、ページの内容を理解するために構造化データを利用しています。

Schema.orgとJSON-LDは何が違う?
構造化データを調べると、次の言葉がよく出てきます。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 構造化データ | 情報の意味を、決められた形式で整理したデータ |
| Schema.org | 記事・商品・店舗などを表すための、共通の型や項目の定義 |
| JSON-LD | 構造化データをページに記述する方法のひとつ |
簡単に言えば、Schema.orgは「どの項目で説明するか」、JSON-LDは「どう書くか」に関わるものです。
Googleは、対応する記述形式の中でJSON-LDを推奨しています。ただし、WordPressのテーマやプラグインが生成している場合、運営者が毎回コードを書く必要はありません。
構造化データとリッチリザルトの関係
検索結果に、商品の価格や在庫状況など、通常のタイトルと説明文以外の情報が表示されることがあります。
こうした表示の一部を「リッチリザルト」と呼びます。対応する構造化データを正しく設定することで、その表示の対象になる場合があります。
ただし、構造化データが正しくても、リッチリザルトの表示は保証されません。
ページの内容、ガイドラインへの適合、検索の状況などによって、実際の表示は変わります。
また、Schema.orgに存在するすべての型が、Googleのリッチリザルトに対応しているわけではありません。
「データの書き方として正しいこと」と「Google検索で特別な表示の対象になること」は、分けて考えましょう。
参考:Google検索セントラル「構造化データに関する一般的なガイドライン」
WordPressで使われる主な構造化データ
必要な構造化データは、サイトやページの内容によって異なります。
| ページや情報 | 主な型 | 整理する情報の例 |
|---|---|---|
| 記事・ブログ | Article・BlogPosting | 記事名、著者、公開日、更新日 |
| パンくずリスト | BreadcrumbList | ページの階層、名称、URL |
| 会社・組織 | Organization | 組織名、URL、ロゴ |
| 店舗・地域の事業者 | LocalBusinessとその下位型 | 店舗名、住所、電話番号、営業時間 |
| 商品 | Product | 商品名、画像、価格、在庫状況 |
この表は用途を整理したものです。必要な項目や条件は型ごとに異なるため、実装時にはそれぞれの公式ガイドを確認します。
記事にはArticle・BlogPosting
解説記事やブログでは、記事名、著者、公開日、更新日、画像などを整理します。
WordPressの投稿情報から自動生成される場合もありますが、次の点は確認しておきたいところです。
- 著者が実際の執筆者や発信元と一致しているか
- 公開日や更新日がページの表示と食い違っていないか
- 記事に関係のある画像が指定されているか
パンくずリストにはBreadcrumbList
パンくずリストは、「ホーム → SEO → 記事名」のように、ページがサイトのどこにあるかを示すものです。
構造化データでも、その階層やリンク先を伝えられます。
見た目のパンくずリストがあるだけで、構造化データも設定されているとは限りません。反対に、別のプラグインがすでに出力している場合もあります。
参考:Google検索セントラル「パンくずリストの構造化データ」
会社情報にはOrganization、店舗情報にはLocalBusiness
会社や団体の情報にはOrganization、実店舗などの地域に根ざした事業者にはLocalBusinessや、業種に合った下位型を検討します。
店舗情報では、住所や電話番号、営業時間などを、サイトに掲載している内容と合わせます。
移転や営業時間の変更があったときは、ページの文章だけでなく、構造化データも更新が必要です。
参考:GoogleのOrganizationガイド、LocalBusinessガイド
商品ページにはProduct
商品ページでは、商品名や画像に加え、販売形態に応じて価格、通貨、在庫状況などを整理します。
特に価格や在庫は変わりやすいため、表示中の商品情報と連動して更新できる仕組みが向いています。
ページでは「売り切れ」なのに、構造化データには「在庫あり」が残るといった食い違いを防ぎましょう。
WordPressで設定する前に、現在の出力を確認する
構造化データを導入するときは、最初に「すでに何が出力されているか」を確認します。
WordPressでは、次のような機能が構造化データを生成している場合があります。
- 使用中のテーマ
- SEOプラグイン
- EC・商品管理プラグイン
- パンくずリストなどの専用機能
- 独自に追加したコード
新しいプラグインを入れる前に、現在の管理元を確認することが大切です。
データが複数あるだけで、すべて重複とは限らない
1つの記事ページに、ArticleとBreadcrumbListが出力されていること自体は問題ではありません。それぞれ説明している対象が異なるためです。
確認したいのは、同じ記事や店舗について、複数の機能が矛盾した情報を出していないかです。
たとえば、同じ店舗なのに住所が2種類ある、同じ記事なのに著者や公開日が異なる、といった状態は整理が必要です。
「構造化データを1個にする」ことではなく、それぞれの役割と管理元を明確にすることを目指します。
WordPressで構造化データを設定する流れ
1.ページに合った型を選ぶ
まず、そのページが何を伝えるものかを決めます。
記事なら記事、店舗案内なら店舗、商品詳細なら商品というように、実際の内容に合わせます。
すべてのページに同じ商品情報や店舗情報を機械的に追加するのではなく、そのページで説明している対象との関係を確認しましょう。
2.使用中のテーマやプラグインで設定する
利用中の機能に「構造化データ」「Schema」「組織情報」「店舗情報」などの設定があるかを確認します。
名称や場所は、テーマやプラグインによって異なります。
記事では投稿タイトルや著者情報、店舗では住所や営業時間など、元になる情報を入力します。設定欄があっても、空欄のままでは必要な情報が揃わない場合があります。
3.必要な機能がない場合に追加方法を検討する
現在の構成で対応できない場合は、必要な型に対応した機能の追加や、独自実装を検討します。
独自コードで追加するときは、記事の変更や店舗情報の更新に追従できるようにします。
固定のコードを各記事に貼り付ける方法では、更新日やURLなどの修正漏れが起きやすくなります。手作業で管理する範囲を増やしすぎないことも大切です。
4.公開ページで確認する
設定を保存したら、実際のページに出力された内容を確認します。
管理画面の設定が正しくても、キャッシュや出力条件によって、公開ページには古い情報が残っている場合があります。
トップページだけでなく、記事、店舗案内、商品など、ページの種類ごとに確認します。
設定時に避けたいこと
ページにない情報を追加する
構造化データは、実際のページ内容を説明するために使います。
検索結果を目立たせるために、存在しないレビューや評価、本文にない実績などを追加してはいけません。
JSON-LDのコード自体は通常の画面には表示されませんが、そこで説明する内容は、ページの情報と一致させる必要があります。
情報を更新せずに放置する
次のような変更があったら、構造化データも確認します。
- 店舗の住所や電話番号を変更した
- 営業時間や定休日を変更した
- 商品価格や在庫状況が変わった
- 記事の著者や内容を変更した
- ページのURLやサイト構成を変更した
自動生成している場合も、元の情報をどこで管理しているかを把握しておきましょう。
テストを通すために、事実ではない値を入れる
推奨項目が不足しているときに、存在しない情報を作って埋める必要はありません。
実際に掲載できる情報を追加するか、その型や設定がページに合っているかを見直します。
参考:Google検索セントラル「構造化データの品質に関するガイドライン」
FAQを設定すれば検索結果に質問と回答が出る?
以前の解説記事には、FAQの構造化データを追加すると、検索結果に質問と回答が表示されるという説明があります。
しかし、2026年10月時点では、GoogleのFAQリッチリザルトは終了しています。
Googleは2026年6月15日の更新履歴で、FAQリッチリザルトが検索結果に表示されなくなったことを理由に、関連ドキュメントを削除したと案内しています。
FAQの内容そのものが不要になったわけではありません。読者が疑問を解決できる「よくある質問」は、引き続きページ内の情報として役立ちます。
FAQを用意する目的と、検索結果で特別な表示を狙う目的は分けて考えましょう。
構造化データを確認する2つのツール
Googleのリッチリザルトテスト
Google検索で対応しているリッチリザルト向けの構造化データを調べるときに使います。
- リッチリザルトテストを開く。
- 確認したい公開ページのURLを入力する。
- 検出された項目を開く。
- エラーや、入力されている情報を確認する。
まず、対象のリッチリザルトに必要な項目の不足など、重大な問題を確認します。重大ではない指摘は、内容を読んで対応を判断します。
「有効」と表示されても、検索結果での表示が確約されるわけではありません。
確認ツール:Google リッチリザルトテスト
Schema Markup Validator
Schema.orgに基づく構造化データを、より広く確認するためのツールです。
Googleのリッチリザルトテストとは確認する範囲が異なります。
| ツール | 主に確認すること |
|---|---|
| リッチリザルトテスト | Googleが対応しているリッチリザルト向けのデータ |
| Schema Markup Validator | Schema.orgに基づくデータの型・項目・構文 |
リッチリザルトテストで対象項目が見つからなくても、構造化データがまったく存在しないとは限りません。
一方、Schema Markup Validatorで問題がなくても、Googleの表示要件を満たしているとは限りません。
確認ツール:Schema Markup Validator
設定後も確認しておきたいこと
構造化データは、一度設定して終わりではありません。
テーマの変更、SEOプラグインの切り替え、サイトのリニューアルなどで、出力内容が変わる場合があります。
運用時は、次の項目を確認します。
- ページの内容に合った型を使っている
- 著者・日付・住所・価格などが実際の情報と一致している
- 同じ対象について矛盾した情報が出ていない
- どのテーマやプラグインが出力しているか把握している
- 重大なエラーを確認し、修正している
- 検索に出したいページをnoindexや閲覧制限でブロックしていない
- テーマやプラグインの変更後に再確認している
- 古い解説だけに頼らず、Googleの対応状況を確認している
構造化データは、ページにある情報を正しく伝えるための補助になります。まず本文や店舗・商品情報を整え、その内容と一致するデータを出力しましょう。
サイト全体の公開準備については、WordPress公開前のSEOチェックリストもあわせてご覧ください。
次回は、WordPressの「表示速度」について、確認する指標と改善の進め方を紹介します。
